ピアノの効果① 「心とピアノ」

音楽は心を健康にするお医者さん

四千年前のエジプトの古文書には、音楽は「魂の薬」と考えられ、静かな音楽は鎮静効果があり、 活気ある音楽は興奮効果があると言われていました。古代ギリシャでは「身体は薬でなおし、心は音楽でなおす」 と考えられていました。現代では、科学的研究から、音楽と接することが心と身体の健康に非常に効果があることが、 明らかにされています。

ピアノと脳との関係

音楽が心の健康に大きく貢献していることは、ピアノを習うことも、また、心の健康に大きく貢献していると言いかえられます。 特に指先を動かすことは脳の活性化に非常に役立っているのです。老人にとって、ピアノを習うことは、 指先を使うことによって脳を活性化させることが、ボケ防止に役立ち、ピアノを習うことでストレスを発散させたり、 生きがいを見いだすことにつながり痴呆症対策として、ピアノを習うことがクローズアップされています。

ピアノと子供の心との関係

現代の子供たちは、幼いころから、いろいろなマスメディアを通して、多くの情報を取得しています。 その情報は子供の性格、心の状態と発達に大きな影響力を持っています。よい情報だけなら問題ありませんが、 それらの情報が子供にもたらす影響力と結果は新聞を読むだけでも大きな問題となってきています。 孟母三遷、「門前の小僧習わぬ経を読む」のたとえではありませんが、私どもは、子供の心の教育のための一つとして、 幼いころからピアノを習わすことも大切であると考えています。
特にピアノを習わすことは、人間の感情、イメージ、感覚を支配していると考えられている右脳を発達させますし、 脳の動きを活性化させます。

ピアノの効果②

脳を耕すピアノ!?

ピアノはお子様の成長段階での脳の発達にとても役立ちます。
幼児期にはよく折り紙やあやとりなど手先を使った遊びが取り入れられますよね。これは、お子様の脳にとても良い刺激を与えるからです。 脳は「第2の脳」と言われるくらい、脳の働きと緻密な関係があります。 つまり5本の指を使うことで、お子様は頭の体操をしていることになります。併せて、芸術性を鍛えることもできるので、 お子様の習い事としてピアノはとても良いといわれています。 ある研究では、ピアノを習っている子の成績が習っていない子よりも上位であるという結果が出ているほどです。 特に幼児期は右脳の発達が中心ですから、この右脳の発達にピアノはとも最適といえます。

ピアノで脳のエクササイズ!?

「指先を使うと脳の働きを活発にする」と言われています。 それは指先がとても敏感で、多くの刺激を脳に送っているからです。手を積極的に使うと、脳との間に強固な回路ができます。 訓練すると、より強化され拡大されます。指がなめらかに動くようになったら、それはネットワークがつながった証拠です。 使えば使うほどネットワークは強化されます。でも逆に、しばらく使わなければ一度つながったネットワークも再びつながらなくなります。 だから常に刺激を与えること、毎日の練習が大切なのです。左手を動かせば右脳(芸術的創造性を担う)が、 右手を使えば左脳が活発になり、両手を使えば脳全体が使われ、右脳と左脳をつなぐ部分も発達します。
ピアノは右手と左手の動きが異なり、ペダルを踏むために足も使います。このような複雑な動作をすることは、 脳に刺激を与えるのにとても有効的な方法と言えます。ピアノの脳に与える影響は、本当に大きいものなのです。
さぁみなさん!ピアノを使って、脳のエクササイズを始めてみませんか?

ピアノの効果③ 運動センス、ピアノの演奏で磨く!

(以下、日本経済新聞9月6日夕刊より転記)

脱力・集中力・リズムを養うピアノ♪

ピアノの上手なスポーツ選手は意外に多い。巨人の桑田投手は右ひじを手術した際、リハビリを兼ねてピアノに取り込んだ。 ゴルフの宮里藍もピアノが得意だし、大相撲の隆乃若(現十両、最高位関脇)はショパンを弾く腕前。高齢者に進められるピアノだが、 スポーツ選手の能力向上にも効果があるようだ。
内科医、スケート選手、ピアニストなど複数の肩書を持ち、音楽とスポーツの関係に詳しい日本音楽療法学会評議員の板東浩医師は 「集中力やリズム感、脱力のコツが身に付く。また、通常のトレーニングでは鍛えにくい指先など抹消(まっしょう)の神経や 筋肉を強くする。スポーツに必要な能力が身に付く楽器だ」とピアノ効果を語る。
今季、高校生ドラフト1位で横浜に入団し、6月29日の巨人戦でプロ初先発初勝利を挙げた山口俊もピアノ好き。 小さいころから、学校の音楽室でよく友人と弾いていた。「ピアノが野球の役に立ったか?」と質問すると、「たったと思う」 と山口。「指先が敏感になった。おかげで様々な球種を人より早くマスターできる。野球では投げるのも守るのもリズム感が 大事ですから」
ゴルフの宮里藍や大相撲の隆乃若は、父親が「スポーツ以外にも広い視野を持ってほしい」と、小さいころから習わせた。 レッスンでは毎回、次の課題が与えられるため、少しずつ練習でステップアップしていくことも体感できる。 特にピアノ演奏の効果が高いスポーツは「野球とゴルフ」と板東氏。1球への集中力、リズム感に加え、勝負どころでの 力まない脱力が大切なスポーツだからという。ピアノも力むとパフォーマンスが落ちる。技術もさることながら、 日本人にもっと必要なプレーの独創性や発想力を磨くのにもいいようだ。ピアノの演奏は目で楽譜を読み、左右の指を別々に動かし、 耳で音を認識する。五感をフルに使う複雑な作業となる。板東氏は「感情を込めて演奏すれば右脳が刺激される。右脳が磨かれると、 創造性が豊かになる。サッカーなど手を使わないスポーツにも効果的」と指摘した。

(田村城)
~板東医師が指摘するピアノのスポーツへの効果~
・集中力やリズム感の養成
・勝負どころで力まない脱力のコツが身に付く
・指先など末梢神経や筋肉を鍛える
・右脳が刺激され、発想豊かなプレーができるようになる
・何事も練習の習慣が身に付く

ピアノの効果④

今回の「ピアノの効果」は、フジテレビの「ホンマでっか!?TV」という番組のレギュラーで話題の脳科学者・澤口俊之さんの 「子供の脳をいかに育むか ~ピアノが脳に良い理由とは~」というお話。

澤口さんは、人間性知能HQ(Humaniti Quotient)の研究で有名です。HQには、「未来志向的行動力」と「社会関係力」という 大きな要素(能力)が含まれます。「未来志向的行動力」には、主体性、独創性、やる気、集中力、好奇心、探究心などが含まれ、 「社会関係力」には、対人能力、交渉能力、意思伝達力などが含まれます。HQと社会生活の関係については、いくつか独自の 調査結果を示していました。例えば、入社直後の社員と、入社2年目の社員でHQを比べてみると、入社2年目の方が高いのだそうです。 これは、1年間会社で訓練されたからではなく、HQが低い人は、入社1年以内に辞めてしまうことが多いため、このような結果になるそうです。 職種別に見ても、一般社員より管理職の方がHQが高く、HQが高いほど、高度な職に就く可能性が高いという調査結果になっていました。 私生活でも、HQが高い人は、5年以内の離婚率が低く、うつ病になる確率も低いそうです。このような結果から、HQが高いほど、経済的に成功し、 夫婦仲も良く、長生きして、社会的に成功し幸福になれる可能性が高くなるのだそうです。
次に、HQとピアノの関係ですが、HQを伸ばすのにダントツで効果を発揮するのが、ピアノのレッスンなのだそうです。両手の指を細かく動かし、 少し前の音を保ちながら、その先の音を先読みし、その記憶を適切に出力(演奏)する訓練は、HQの基礎能力をかなり使うことになりますし、 状況に応じて演奏を変化させることで、独創性や創造性の発揮にも有効と説明していました。このような事をあまり意識しないでピアノを 弾いていますが、脳には相当良い刺激になっているようです。また、前頭前野だけでなく、ピアノの練習を続けることで、右脳と左脳をつなぐ 脳梁(のうりょう)も太くなり、記憶力をつかさどる海馬も発達することが確認されているそうです。
ピアノのレッスンを通して、ピアノや音楽をより楽しめるだけではなく、社会で生きていくための様々な能力を伸ばすことにもなり、 生徒さんが将来幸福に暮らせるという脳科学の研究結果は、ピアノに携わる我々スタッフ一同にも、大変励みになるものでした。

「子どもにたくさんの習い事をさせて大丈夫?」
それに対し、脳科学者の澤口俊之先生は……
「習い事はピアノだけで十分です」というお応えをされたのです。
「ピアノ」は様々な力が一度に見に付く!
♪指先を使う事で脳が活性化
♪音楽を通じて感受性を育む
♪楽譜を読む事で先読みの能力と暗記力が身に付く
更にキレない子供に育てる方法として、ピアノを習わせるのが良いという説もお話されていました。

お子さまのためのピアノレッスン

心を育てる

本来、人間の生活に音楽は欠かせないものです。心を落ち着かせたいとき、気持ちが高揚するとき、 連帯感を感じるとき、音楽が変わることが多いものです。特に高周波のピアノ曲は、 感情を調整する作用があるという言及結果があり、 ピアノは情操教育に効果があるとされています。 

脳を育む

最近、脳科学の分野でもピアノ練習が脳を育てると言われるようになりました。ピアノの練習は、 五線上の音符を読み+音符と対応した鍵盤を指を使って弾き+且つ強弱、音色などにも配慮しつつ連続運動を続けなければなりません。 下半身もしっかりと腰を落ち着けて座り、ペダルで曲に味わいを付けていきます。このようにピアノ演奏は、 全身を使うので脳の多くの部位に刺激を与えることになります。

根気を養う

上記のように、確かにピアノは根気が必要です。しかし、時間をかけて弾けるようになった時の、達成感・充実感は言い表しようがないものです。 がんばって練習して弾けるようになった喜びを繰り返すことで、根気が養われ、その経験が「自信」につながります。

ピアノが不得意ならば何の効果も無いのか?

ピアノ練習には「目に見える効果」と「目に見えない効果」があります。「目に見える効果」は、上手に弾けるようになり、楽しくなることです。 「目に見えない効果」は、上記のような「脳を育んだり、根気を養い、自信をつける」ことです。
しかし、残念なことに「目に見える効果」がすぐに現れないと、「あんまり練習しないから」「才能がないみたいだから」 「音楽大学に行けるわけではないから」などと、すぐに辞めさせてしまうケースがあります。確かに、すぐにすらすら弾けるようになる 器用なお子さんもいらっしゃいますが、なかなか上達できないお子さんもいらっしゃいます。しかし、苦手な人ほど脳を強く刺激していますし、 練習する機関が長いほど根気も養われます。不得意だからこそ「目に見えない効果」は高いといえます。